主の護り ヘルンフート


チェコとの国境近くのドイツ・ザクセン州オーバーラウジッツと呼ばれる地域にヘルンフート Herrnhut という小さな街がある。「主の護り」という意味だ。パンフレットには「小さな街、世界的な重要性」”Small Town, Global Importance”というフレーズも記されている。

日本でも「ローズンゲン 日々の聖句」という赤いカバーの冊子が販売されている。「くじ引き」で選ばれた聖書の言葉が、365日(閏年は366日)分が掲載されている。ドイツ語以外に43か国語に翻訳され発行されている。発行元は、1722年に創設され、間もなく300年を迎えるヘルンフート兄弟団である。

カトリック教会に異を唱え(プロテスト)、1415年に火炙りの刑にあったボヘミア(現チェコ)のヤン・フス Jan Husの意志を継いだフス派 Hussiteたちは、フス戦争(1420-1436)を経て、1457年にボヘミア、モラヴィア兄弟団を設立している。1620年のピーラー・ホラ(白山)の戦いで敗れ、政治的な主導権はフス派の勢力が衰えてカトリックに移り、このエリアはハプスブルク家が治める。一方、フス派のこれらの兄弟団は、に所属して教育者としても知られるヤン・アモス・コメニウス<コメンスキー>(1592-1670)に影響を与えている。ツィンツェンドルフ Zinzendorf 伯爵(1700-1760)の領地で庇護の下、ヘルンフート兄弟団が設立された。 

さらにアメリカにも渡りメソジスト教会(派)を築いたジョン・ウェズレー(1703-1791)と、その弟でアメリカの賛美歌の作曲家として有名なチャールズ・ウェズレイなどにも影響を与えた。

オーバーラウジッツ地域には1994年に合唱団の旅行で一度訪問したことがある。今回はひとりで秋深まった時期に来たので、あまりに静かでまったく違う街だと感じた。ドレスデンからツィッタウZittau 行きのローカル電車に乗って1時間余り、レーバウ Löbauで下車する。さらにバスで約30分でヘルンフートに到着する。電車で行く場合には、1時間に一本しかない。駅の周りには店もないので、時刻表で確認するなど事前準備が必要だ。

少し歩くと墓地がある。ゲートには「キリストは死から復活された」と描かれている。世界に派遣された宣教師たちがここに整然と眠っている。

街の中心からほんの少し歩くと、世界中に知られている「ヘルンフートの星」を販売しているコーナーがある。周辺には製作できる工房もある。クリスマスツリーなどのサイズに合わせて大きさを選べる。小さなタイプならばとお土産に買えるかな、と思ったが、全部コンセントにつなぐタイプで、しかもプラグの形状が220Vのヨーロッパタイプだったので、残念ながら諦めた。

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